ユネスコ世界遺産のヒエラポリスとパムッカレ、 今春から夜間ライトアップをスタート
トルコ文化観光省は、観光客が通常の観光時間外に遺跡や古代都市を訪れることができる「ナイトミュージアム」といった革新的なコンセプトを打ち出しており、ユネスコ世界遺産に登録されている「ヒエラポリスとパムッカレ」では、今春から深夜0時までの夜間ライトアップをスタートしました。
トルコ西部に位置するパムッカレは、イスタンブルからデニズリまで国内線で約1時間、その後デニズリからレンタカーやタクシー、シャトルサービスなどを利用して更に約1時間の移動で到着します。古代都市見学はもちろん、パラグライダーや熱気球など爽快なアクティビティも楽しめるほか、聖書に登場する7つの教会のひとつのラオディケイアもパムッカレとデニズリからわずか15kmのところにあり、この地域の重要な観光スポットとなっています。
パムッカレの名産品は織物で、中でも伝統的な技法で綿布から作られるブルダン織が有名です。独特の織り方と厳選された染料により、ブルダン織は非常に長持ちし、肌に優しい風合いで、よく水を吸い取るのに早く乾くことで知られています。
また、食べ物ではジューシーなラム肉を伝統的な石窯で巧みに調理した、デニズリのケバブもおすすめです。
魅惑的な自然の驚異
パムッカレは、酸素と温泉水の相互作用によって形成された美しい雪のように白い石灰棚で知られています。歴史と自然が完璧に融合したパムッカレの石灰棚は、天然のミネラル水とともに癒しの効果があると信じられています。毎年、世界中の人々が息をのむような風景と若返りの効果を求めて、この魅惑的な地に集まってきます。石灰棚のほとんどは、その繊細な構造のために保護されていますが、観光客は小さなテラス状のプールがある石灰棚の一部を自由に歩くことができます。
時を超えた冒険
ユネスコ世界遺産に登録されている、ヒエラポリス古代都市は、パムッカレの石灰棚に隣接しています。約2,500年前、ペルガモンのエウメネス2世は、石灰棚の素晴らしさに魅了され、この遺跡の近くに都市を建設しました。ギリシア神話の人物でもある、テレフォスの妻ヒエラを祀ったのがペルガモンの伝説的な創始者で、この地域はヒエラポリスと呼ばれました。文献では、ヒエラポリスは聖都と呼ばれており、驚くほど保存状態の良いこの古代都市の魔法にかかったような雰囲気が、その呼び名を体現しています。古代劇場、神殿、記念碑的な噴水、墳墓、アゴラ(公共広場)、体育館などを探索しながら、2,000年前に存在した石造りの道を散策すると、まるでタイムスリップしたような感覚に陥ることでしょう。ローマ時代、地獄への入り口と信じられていたプルトニウムにまつわる物語も非常に興味深いものです。
古代劇場やヒエラポリス博物館などの有名な建築物は、神話の物語を描いた特徴的なレリーフと、見事な舞台建築と客席によって、地中海沿岸のローマ時代の劇場の中でも際立っている存在です。この息をのむような劇場の最上部に座って、何時間も完全に静寂に包まれた周囲を見渡す体験は、また格別です。ローマ浴場は、かつては温泉センターとして崇められていましたが、現在は考古学博物館として再利用されています。ヒエラポリス博物館では、ラオディケイアやトリポリスといった近隣の遺跡の発掘調査で発見された魅力的な工芸品のコレクションを見ることができます。これらの宝物は、石灰のブロック石で造られた印象的な丸天井のローマ浴場構造の中に展示されています。
古代の癒しの水
ヒエラポリスは、この地域にある若返りの温泉水のおかげで、長い間、癒しと健康の中心地と考えられており、何世紀も経った今でも、この古代都市はその温泉水の治療と若返りの効果を求める観光客を惹きつけ続けています。年間を通して水温36℃のアンティーク・プールは、通称クレオパトラ・プールと呼ばれており、アンティークの柱と大理石に囲まれた古代プールに浸かるのは、またとない体験です。古代遺跡の中で泳ぐ特別な体験をぜひ味わってください。