トルコ クイジーン ウィーク 2024」5/21(火)~5/27(月)
トルコ料理
アナトリアの揺るぎない伝統に育まれ、形作られたトルコ料理は、トルコ文化を決定付ける要素です。トルコの食卓に並ぶすべての料理には物語があり、膨大な文化の蓄積を現代に伝えています。
トルコ料理には、伝統、健康、そしてゼロウェイストという3つの本質的な特徴があります。本場のトルコ料理は、さまざまな発見に満ちていて、まるで魔法の旅のようです。新鮮な地元産の食材が、伝統的なレシピ、調理法、モダンな盛り付け方と融合しています。トルコ料理の核心は伝統で、オリジナルのレシピは、祖母から母、娘や息子へと代々受け継がれています。伝統的な調理法によって、料理をレシピ通りに仕上げることができ、まさに何百年も前のオリジナル料理の味を味わうことができるのです。
トルコの美食は、持続可能性とゼロウェイストに特に注力しています。その中心となっているのが、ゼロウェイスト料理です。一般的なトルコの食卓では、何一つ無駄になるものはありません。 料理は、食材を無駄にすることなく調理され、食卓には残った食材を使ったビネガーやピクルスなどが並ぶほか、野菜の切れ端はスープに、オレンジの皮はケーキの材料に、残った米はスープの具となります。また、パントリーには、冬に備えて乾燥または冷凍した夏の果物や野菜がストックされています。このような持続可能な料理と調理技術がトルコ料理を特徴づけているのです。
トルコ料理は健康にも良い影響があります。心と体と精神に栄養を与えるトルコ料理は、たっぷりの地元産オリーブオイル、太陽の光を浴びた野菜、そしてオーガニックの食材を用います。健康こそがトルコ料理の中心なのです。蒸す、煮る、茹でる、焼くといったヘルシーな調理法は、ビタミンやミネラルを保持し、最高の味と食感を実現するために広く活用されています。最高級のオリーブオイルをふんだんに使ったメゼ料理は、そのほとんどがベジタリアン向けです。また、地元の大衆食堂ロカンタの家庭料理も美味しくヘルシーです。
トルコ料理はまた、その文化的な持続可能性という点でも際立っており、団結と連帯感を中心に形成された食事や飲酒の儀式を特徴としています。食を囲むことは、あらゆる年齢、境遇、社会階層の人々を結びつけると同時に、社会の結束に不可欠な役割を果たしています。伝統的な食卓は、トルコの人々の寛容さ、分かち合いと連帯を愛する心、そして何千年も続いてきた日々の生活を肯定する文化のひとつの表れです。トルコ料理は、トルコの無形社会遺産の重要な構成要素でもあり、新しい世代への文化遺産の継承と持続可能性を約束しています。
トルコクイジーンウィーク
千年以上にわたる文化や伝統、社会的遺産や物語によって形作られたトルコ料理は、トルコクイジーンウィークの期間中、その独特で多様な味わいを世界に向け発信しています。トルコクイジーンウィークは、トルコ国内外の幅広い人々にトルコの豊かな美食文化を紹介するもので、毎年5月21日から27日の7日間にわたって開催されています。この重要なイベントでは、時代を超越したトルコ料理のユニークなレシピが紹介されるとともに、何千年もの間、ゼロウェイストの理念のもとに培われてきた古くからの食の伝統の持続可能性も取り上げられます。
今年のテーマはトルコのエーゲ海“Turkaegean(トゥルケージアン)”
古代遺跡の数々、ここでしか体験できない美しさ、他に類を見ない観光地など魅力溢れるトルコのエーゲ海を訪れると、思い出に残る“Turkaegean(トゥルケージアン)”体験を満喫できるでしょう。この地域の健康的な食文化も有名で、地中海食は、2010年にユネスコ無形文化遺産にも認定されています。
今年のトルコクイジーンウィーク期間中に様々な形で紹介されるエーゲ海沿岸の料理は、この地域の豊かさを象徴するレシピで構成されています。例えば、エーゲ海産のオリーブとチーズ、タルハナスープ、空豆のピューレ、ズッキーニのフリット、インゲンのオリーブオイル和え、オリーブオイルを使ったピーマンのピラフ詰め、ギョズレメなどのハーブ入りペイストリー、 エビのキャセロール、イズミル風ミートボール、ミルクとドライイチジクのプリン、ビターアーモンドのシャーベット、メロンの種のシャーベットなどが挙げられます。
エーゲ海のオリーブ文化
トルコは世界有数のオリーブとオリーブオイルの生産国で、特にマルマラ地方とエーゲ海地方はオリーブの生産地として有名で、次に地中海地方と南東部地方が続きます。丈夫で控えめなオリーブの木は、その栽培を中心に形成された文化を探ると、トルコの本質的な価値を形作っているものの一つであることに気付きます。エーゲ海地方の真珠と呼ばれるイズミルは、オリーブ栽培とオリーブオイルの最も重要な産地とされており、チェシュメ、ウルラ、セフェリヒサル、ギュゼルバフチェ、メンデレス、セルチュクといった魅力的な都市や町には、美しいオリーブ園が広がっています。この地域の文化を探ると、オリーブ栽培とオリーブオイル作りは古代からエーゲ海地域の日常生活と文化の一部であったことがわかるでしょう。
トルコで栽培されているオリーブは、約122種類が登録されており、一般的にテーブルオリーブとオイルオリーブに分類されます。オリーブオイルはポリフェノールを含むため、植物油の中で最も健康的なオイルで、豊富なオレイン酸、高い抗酸化作用、不飽和脂肪酸を含むことから、アンチエイジングに役立つ特別な健康源と言われています。ゼイティニャール(Zeytinyağlılar)は、「オリーブオイルで作られたもの」という意味で、エーゲ海地方で有名な料理の一種です。
チーズ
トルコは、チーズの種類の豊富さでは世界有数の国です。畜産業が発展してきたトルコでは、ほとんどどの地域、都市において独自のローカルなチーズが様々な地理的条件、方法で生産されています。放牧農業が盛んな為、放し飼いの家畜が生産する生乳の品質がそのままチーズに反映されます。何世紀も続く伝統的な製法で作られるトルコのチーズは、工業用酵母の代わりに天然のレンネット酵母を使うことが多い他、一般的に羊と山羊の乳が使用されます。しかし、工業用チーズの製造においては、牛乳の使用が著しく増加しています。
タルハナスープ
タルハナは最も独特なトルコ料理の一つです。トルコには様々な種類のタルハナがあり、一般的に大きく2つのグループに分けられます。ギョジェタルハナは全粒粉の小麦で作られ、フラワータルハナは小麦粉で作られます。タルハナは通常、冬に備えて家庭で作られますが、市販されている種類も多く、インスタントスープとしても製造されています。タルハナは、タンパク質が豊富なヨーグルトと炭水化物が豊富な穀物を一皿にまとめた料理の為、スーパーフードとしても分類されています。トマトやピーマンなどの食材がたっぷり入ったタルハナは、乾燥(最も健康に良い保存方法の一つ)させて、夏だけでなく冬にも楽しむことができます。栄養価の高いハーブを加えれば、栄養満点のスープになります。
空豆のピューレ
空豆のような豆類のピューレは、古代からアナトリア料理の一部でした。メゼ(前菜)料理には、あらゆる種類の豆類が使われており、乾燥した空豆で作るピューレは、トルコの食卓で好まれています。また、菜食主義者やベジタリアンのための美味しい代用品でもあります。乾燥そら豆で作った空豆ピューレを冷やして固め、盛り付ける前に小分けにして、オリーブオイルをかけて食べるのもおすすめです。
ズッキーニのフリット
フリットのレシピは、オスマントルコ時代の料理本にも登場する歴史ある調理法です。現代のトルコ料理では、フリットはたいていズッキーニで作られます。ズッキーニの詰め物を家庭で作ると、すくい取ったズッキーニの果肉は、他の数種類の材料と組み合わされてフリットに変身することが多いですが、これはトルコ料理の“ゼロウェイスト”の典型的な例です。揚げ物でありながら、ズッキーニのフリットは驚くほど軽く、フレッシュな味わいです。このみずみずしさは、たっぷりのネギ、パセリ、ディル、そして時にはミントを衣に加えることによって生み出されます。通常はフォークでつぶした白いチーズも材料に加えます。最近では、オーブンで焼いたものも人気があります。
インゲンのオリーブオイル煮
インゲンのオリーブオイル煮はトルコ料理の定番です。たっぷりのトマトと一緒に煮込む家庭も多いですが、昔は皮付きのトマトを丸ごと1個だけ鍋の中央に置き、その周りにインゲン豆を扇状に並べていました。煮汁がなくなるまで煮込み、オリーブオイルだけを残して、インゲン豆は丁寧に皿に盛り付けられます。ディナーパーティーに最適な一品です。
オリーブオイルを使ったピーマンのピラフ詰め
ピーマンの詰め物は、ドルマ*の種類として真っ先に思い浮かぶものの一つです。オリーブオイルを使ったピーマンのピラフ詰めは、肉詰めと同様に人気があります。どちらも薄い皮のピーマンを使用することが望ましいですが、オリーブオイル料理には、中型か比較的小型のピーマンが好まれます。詰め物にシナモンやオールスパイスのような温かみを感じさせるスパイスと、ディルやミントのような爽やかなハーブを使用するとバランスが良くなります。生のミントの代わりに乾燥ミントを小さじ1杯使用するのもおすすめです。*ドルマ:詰め物料理
ほうれん草のペストリー
ほうれん草のペストリーは、最もポピュラーな自家製ペストリーです。自家製のユフカ*を使った方が美味しいですが、食料品店やユフカ屋で売られている市販品のユフカでも作ることができます。中身はチーズやひき肉、ほうれん草やズッキーニなどの野菜で、生地を重ねて作る層の間に牛乳、バター、卵を混ぜたものを塗ってペストリーを柔らかくします。重たい生地にならないためのポイントは、ユフカをトレイに並べるときに、隙間を空けて、牛乳、卵、油を混ぜたものを加えると美味しくできます。
*ユフカ:小麦粉で作った薄い生地
ギョズレメ
ヨルク遊牧民の文化がルーツの食べ物です。アナトリア全土、特に村落で頻繁に作られ、今日では都市部でも大人気のギョズレメは、調理も簡単で、カフェでも好まれる香ばしいスイーツです。アナトリアで作られるギョズレメは、地元産の小麦粉を使っているため、特に美味しいことで知られています。ギョズレメを作るのに必要な道具は、生地を伸ばすための低くて丸いテーブル、細長い麺棒、そして薄い鉄鍋(サック)の3つだけです。屋外で周囲の自然から簡単に入手できる低木や薪を使って調理できるように、屋内でも特別に設計されたガスや電気器具を使って調理することができます。
エビのキャセロール
エビのキャセロールは魚料理店で発達した料理で、家庭で作られることは少ないですが、居酒屋や魚料理店では定番料理となっています。一般的に小皿で調理されますが、大皿で中央に盛られることもあります。
イズミル風ミートボール
この料理はオーブン焼き料理の中でも特に人気があります。すべての具材を別々に炒め、それらを合わせてオーブンで焼くことで風味が増し、特にパンを肉汁に浸して食べると美味しいです。ジャガイモも入っているので食べ応えもあり、別途ピラフ(主食)を添える必要がありません。煮詰めたトマトソースで、ミートボールの風味がさらに豊かになります。お好みでタイムを添えてどうぞ。
ミルクとドライイチジクのプリン
ドライイチジクを使ったプリンは、アナトリア料理の中で最も簡単なデザートですが、手軽であるにもかかわらず、その極上の美味しさで他とは一線を画すデザートです。ドライイチジクを砕いて熱い牛乳と合わせ、しばらく置いておくと、イチジクがヨーグルト酵母のような働きをして、イチジクヨーグルトに似た濃厚なデザートになります。牛乳とイチジクを一緒に寝かせることから、この名前がつきました。この伝統的なレシピには砂糖が使われますが、イチジクの自然な甘さで十分なので、砂糖を使わずにプロバイオティクス効果のあるヘルシーなデザートを作ることができます。
ビターアーモンドのシャーベット
このデザートは、今日流行のビーガンミルクの先駆けと言えるかもしれません。スイートアーモンドとビターアーモンドを一緒に叩いて香りを出し、水にしばらくつけてから薄いガーゼで濾すことでアーモンドミルクができます。夏は冷やして、冬はホットがおすすめです。残ったアーモンドの果肉はクッキーの材料にもなりますよ。
メロンの種のシャーベット
ビターアーモンドのシャーベットとよく似ている飲み物です。違いはメロンの種を使うこと。夏に食べたメロンの種を洗って乾燥させ、9月に叩いてこのシャーベットを作ります。メロンの種さえも無駄にせず、とても美味しい飲み物に変えるこのレシピは、トルコの“ゼロウェイスト”アプローチの最良の例の一つです。
「トルコ クイジーン ウィーク 2024」オフィシャルサイト:https://turkishcuisineweek.com/homepage
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トルコ共和国大使館 文化観光局 広報代理店 キャンドルウィック株式会社 (担当:新村)
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